・住宅購入を検討している
・新築プレミアムが具体的にいくらくらいか知りたい
・新築か中古か物件を迷っている
新築プレミアムとは?何割が割増料金?
住宅購入の際には多くの悩みがあります。
その一つに「新築か中古か」という悩みがあり、YouTubeでも新築購入に関する悩み相談の動画も散見されました。
どうせ買うなら新品がいいって人も多そうね!
その通りで、新築が良い人が大多数というデータもあるんだよ!
住宅金融支援機構の調査によると、2021年においては住宅ローンを借りた人の24.7%が中古マンションか中古戸建を購入しており、残りの75.3%は新築マンションを購入しています。
ほとんどの人が新築で物件を購入する一方で、不動産業界には「新築プレミアム」と呼ばれる新築ならではの価値が発生します。
築浅マンションは「新築プレミアム」がまだ残っている上、昨今の新築マンションの高騰により購入希望者が中古市場に流れている背景から、「買った時より高く売れる」という現象も発生しており、「新築プレミアム」という言葉が注目されています。
私は新築プレミアムという言葉自体初めて聞いたわ。
「新築プレミアム」という概念について知ることに何のメリットがあるの?
一言でいえば、住宅購入の際に中古or新築で悩んだ場合の判断材料の一つになるというメリットがあると考えているよ!
そこでこの記事では、「新築プレミアム」に関連し、以下の内容について解説していきます。
結論
新築プレミアムが一体何割かという公的なデータは渉猟し得ず、答えが出なかったため、自分で検証してみました。
その結果は新築プレミアムは住宅購入価格の約10~15%という結果になりました。
住宅での10%って結構大きくない⁉
3000万円だったら300万円は割増ってこと⁉
購入価格そのものが大きいから金額にすると大きいよね。
この数字の根拠をこれから説明します。
新築でも中古でも住宅購入は人生を豊かな浪費だと捉えて、購入することは良いことだと思いますが、中古との適切な比較=新築プレミアムがどの程度かを知らずに購入すると取り返しのつかない失敗につながるかもしれません。
新築・中古の定義とは
そもそも新築の定義とは、「新しく建てられた建物のこと。未入居かつ建築後1年未満の物件」です。
誰かが1日でも入居、未入居のままでも1年以上経過した時点で中古と扱われるようになります。
新築・中古の価格の差 新築プレミアムとは
新築プレミアムとは、新築物件のみに発生する特有の価値のことを指します。
築浅でも、新築と呼べない物件であれば新築時よりも価値が下がることが一般的です。
概念的には、新築物件と新築直後の中古物件の価格差のことが新築プレミアムということになります。
新築プレミアム = 新築の価格 - 新築直後の中古物件の価格
新築プレミアムにおいて実際どの程度の価格差が存在するのか定量的に把握したかったのですが、そのようなデータを見つけられなかったため、参考までに新築マンションの平均価格と築5年以内で売却された築浅マンションとの価格差により、新築プレミアムを検証してみます。
新築マンションの平均価格
下表は、2021年4月の近畿圏における新築マンションの平均価格を示したものです。
近畿地方における新築マンションの平均価格は上記の表の赤枠の部分です。
近畿圏全体の平均額は5,356万円
最も高い大阪市内の平均額は6,174万円
最も安い和歌山県の平均額は3,610万円
となりました。
中古マンションの平均価格
また、下表は2020年近畿圏における中古マンションの平均価格を示したものです。
大阪府における中古マンションの平均価格は上記の表の赤枠の部分です。
各県の平均価格の詳細については中古マンションの築年帯別状況[近畿圏]に記載があります。
近畿圏全体の平均額は4,597万円
最も高い京都市内の平均額は5,406万円
最も安い和歌山県の平均額は3,410万円
となりました。
新築プレミアムは何割なのか
そして上記の新築、中古(0~5年)の価格を比較した表が以下の表です。
本当は新築マンションと同じく2021年のデータと比較したかったのですが、見つけられなかったため2020年のデータと比較しています。
- 同じ時点のデータを比較したものではない
- 同じ物件のデータを比較したものではない
という点で参考までにご覧ください。
地域 | 新築マンション | 中古マンション | 差額 | 新築プレミアム |
近畿圏 | 5,356万円 | 4,597万円 | 759万円 | 14.2% |
大阪市 | 6,174万円 | 5,136万円 | 1,038万円 | 16.8% |
大阪市外 | 4,875万円 | 3,984万円 | 891万円 | 18.3% |
神戸市 | 5,429万円 | 4,233万円 | 1,196万円 | 22.0% |
神戸市外 | 5,155万円 | 4,298万円 | 857万円 | 16.6% |
京都市 | 5,809万円 | 5,406万円 | 403万円 | 6.9% |
京都市外 | 5,907万円 | 4,034万円 | 1,873万円 | 31.7% |
奈良県 | 4,578万円 | 3,494万円 | 1,084万円 | 23.7% |
和歌山県 | 3,610万円 | 3,410万円 | 200万円 | 5.5% |
近畿圏では、新築マンションと築5年以内の中古マンションで14%程度の差があります。
ただし、統計上の数値は、築5年以内の中古マンションであるため、築2~5年の間に売却されている中古物件も含みます。
新築プレミアムは一概に何%程度と結論付けることはできませんが、10~15%程度の差が発生する可能性はありそうです。
まとめ
今回の調査の結果、近畿圏における新築プレミアムは10~15%程度ということが分かりました。
この数字をどう捉えるかですが、金額でみれば最大1800万円(京都市外の場合)もの差額がありますので、大きいですね。
それでも新築にこだわる方へ解決策の提案
この記事を読んで、中古マンションの方がいいと思った方もいらっしゃれば、差額を考えても新築にこだわる方もいらっしゃると思います。
新築マンションを購入する際の住宅ローンを低金利で借りることができれば、新築プレミアム分を取り返せる可能性があります。
例えば先ほどのデータから引用して、大阪市でマンションを購入した場合を例に、以下の事例を比較してみます。
- 新築マンション6,174万円を35年フルローン金利0.4%で購入
- 中古マンション5,136万円を35年フルローン金利1.5%で購入
この場合、総返済額は以下のようになります。
- の場合総返済額は6,617万円
- の場合総返済額は6,604万円
このように総返済額がほぼ同じになってしまいます。
居住費の節約方法【持ち家編】の記事では住宅ローンの借り換えの際のモゲチェックの有効性を述べましたが、新規の借り入れの際の銀行の比較にも有効です。
借り換えでお得になることも重要ですが、最初から最適な金利で借りられればそれに越したことはありません。
正しく比較し、金利で損しないように行動しましょう。
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