・退職代行の利用を検討している
・どの退職代行をどういう基準で選べばいいか知りたい
・近年増えている「退職代行封じ」にも対応できる退職代行が知りたい
【退職代行封じにも対応】おすすめ退職代行‼19のサービスを徹底比較‼
以前の記事で男性の育休の現状について厚生労働省のデータをもとに解説しました。
男性の育休取得が伸びない背景には「職場や上司の育休に対する理解がなかった」という理由が上位に挙げられていましたが、これから子供とともに幸せになるためにも、そのような職場からはさっさと退職してしまうのも選択肢の一つです。
一方で育休を許さない職場にはハラスメントが生じているケースも多く、退職が認められない、退職を言い出せないというケースもあるかと思います。
この記事ではそのようなケースに検討すべき退職代行サービスについて解説します。
退職代行とは?
退職代行ってどんなサービスなの?
退職代行とは、労働者本人に代わって弁護士や代行業者が会社に退職の意思を伝えるサービスのことです。
本来であれば退職の意思は、自分で上司に伝えるのが一般的ですが、
- 退職の意思を伝えても拒否される(法律違反です。)
- パワハラがあり退職の意思を言い出せない(法律違反です。)
- 未払いの給与やサービス残業分の請求をしたいが自分で交渉をする元気もないほど擦り減っている
など、退職代行を利用しないと、退職ができないような事例の方向けのサービスと言えます。
日本労働調査組合が2021年に実施したアンケート調査によると、退職代行の利用率は以下のとおりとなっています。
- 「自分で利用したことがある」が21.2%
- 「同僚や知人が利用していたことがある」が16.3%
- 「利用したことがある人はいない」が62.5%
引用:PRTIME記事/日本労働組合「退職代行サービスに関するアンケート」
退職代行がどんなものか概要は分かったけど
どの退職代行サービスがおすすめなの?
おすすめの前に、サービス選定にあたり利用者が知っておくべき法律などの知識を先に解説しますね!
そもそも退職とは?退職に関わる法律
退職に関わる法律①労働基準法16条
労働基準法第16条は、労働者に対する「賠償予定の禁止」について定めたものです。
‘使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。’[注1] [注1]e-Gov法令検索 労働基準法
この法律の趣旨は、労働者の退職の自由が制約されるのを防ぐことであり、昔このような違約金を定めることで労働者を身分的に拘束するという弊害がみられたことから設けられた規定です。
つまり、「退職したらペナルティーを課すよ」とあらかじめ決めておくことはだめですよということですね!
この法律によって、退職そのもの対する罰金や損害賠償請求は成立しないということになります。
「退職そのもの」ということは
退職して突然来なくなることに対する損害賠償請求は成立するということ?
それに関しては損害賠償が発生する可能性があります。
一方で、退職代行側もそれは打ち合わせをしているわけで、有給休暇や病欠を使って、「突然」ではなくすわけです。
有給休暇に関しては会社は「時季変更権」という有給休暇を取る時期を変更する権利がありますが、退職を申し出ている場合、変更する時季が退職しているからないわけで、その権利も会社は行使することはできません。
病欠に関しては医師の診断書がある場合、会社は従業員の病欠を嘘だとすることが出来ません。
一方で、労働基準法には退職に関する具体的な定義は記載されていません。
退職に関わる法律②民法第627条第1項
(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
2 期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
3 六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三箇月前にしなければならない。
e-Gov法令検索
先ほども述べた通り、労働基準法には退職に関する明確な定義は定められておらず、あくまで労働者の自由であるとされています。
そのため、労働者の退職には民法の規定が適用されます。
民法によると退職の定義は「労働者からの申し出により、労働契約を終了すること」です。
そして民法による退職は3つのパターンに分かれています。
退職パターン①雇用期間に定めのない者の退職(無期雇用)
正社員・パート、アルバイトを問わず、雇用期間の定めのない従業員は、民法上、退職の2週間前までに口頭や文章で申し出ればよいとされています。(民法第627条第1項)
そのため、仮に就業規則に規定されている期限を過ぎていても、会社側は退職の申し出を受理しなくてはいけません。
民法と就業規則ってどっちが優先されるの?
民法と就業規則のどちらが優先されるかというと問いに対して明確な答えは確立されていません。
民法627条を強行規定と捉えるか任意規定と捉えるかで、民法と就業規則のどちらが有効か変わってくるのですが、裁判例でも学説でも解釈が分かれていて、未だ確立していないからです。
但し、厚生労働省のウェブサイト「辞職」に関する具体的な裁判例の骨子と基本的な方向性では、2週間を超える解約予告期間の設定は無効とされるというのが裁判例の基本的な方向性とされています。
就業規則に「1か月前までに申出」とあっても今のところ民法の方が優先されるから2週間前でOKということね!
じゃあなぜ会社は就業規則に2週間よりも前の記載をするの?
法律を知らないわけじゃないわよね?
法律で2週間前と規定されているにも関わらず、就業規則では「1か月前」とか「3か月前」と記載記載されている理由は、新たな採用の準備や引継ぎのために時間を要することを、社員に心得てもらうためだと考えられていますが、あくまでお願いベースで、法的に強制力のあるものではありません。
退職パターン②雇用期間に定めのある者の退職(有期雇用)
会社と労働期間を定めて契約している契約社員は、会社・契約社員双方が契約を履行する義務があり、契約期間中は退職できません。(民法第627条第2項)
契約期間中にも関わらず無理に退職した場合は、会社から損害賠償請求される可能性があります。
損害賠償の対象は契約社員の退職によって会社が実際に被った被害額です。
ただし、労働者にやむを得ない事情(育児、介護など)がある場合は、雇用契約を解消し退職できるとしています。(民法第628条)
やむを得ない事情がないにも関わらず、雇用契約を解消する場合は、会社との合意が必要です。
(やむを得ない事由による雇用の解除)
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
e-Gov法令検索
逆に言えば会社と合意があれば退職できるということね!
退職パターン③雇用期間に定めのある者で1年以上経過している場合
雇用期間に定めのある者の中でも、例外的に途中退職が認められるケースがあります。
雇用契約期間が1年以上の場合、契約日期間の初日から1年を過ぎていれば、使用者に申し出ることでいつでも自由に退職できます。これを「契約期間の経過措置」といいます。(労働基準法 第137条)
第137条期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が1年を超えるものに限る。)を締結した労働者(第14条第1項各号に規定する労働者を除く。)は、労働基準法の一部を改正する法律(平成15年法律第104号)附則第3条に規定する措置が講じられるまでの間、民法第628条の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。
e-Gov法令検索
1年以上勤めたら期間に定めのある者でもいつでも退職できるのね!
退職代行を運営する3つの組織とそれらの違い
法律が分かったところで、次は退職代行を運営する3つの組織とそれぞれのサービス内容についてです!
退職代行サービスの運営元は大きく3つ、「弁護士」「労働組合」「一般企業」に分けることができ、それぞれに費用や特徴が異なります。
弁護士 | 労働組合 | 一般企業 | |
勤務先への通知代行 | 可 | 可 | 可 |
即日退職 | 可 | 可 | 可 |
有給の取得交渉 | 可 | 可 | 不可 |
未払い賃金の取得交渉 | 可 | 可 | 不可 |
退職日の調整 | 可 | 可 | 不可 |
離職票や未払い賃金の督促 | 可 | 不可 | 不可 |
訴訟への対応 | 可 | 不可 | 不可 |
費用相場 | ¥55,000 | ¥30,000 | ¥25,000 |
カバーしている範囲の広さから、会社ともめそうな人には弁護士の退職代行がおすすめですね!
会社に言うだけなら企業の退職代行が安いわね!
でも、何を重視して選べばいいの?
退職代行を選ぶポイント①弁護士以外が運営する退職代行は「通知代行しかできない」
退職の意思を会社へ伝えることを通知の代行といい、通知代行はどんな退職代行でも合法的に行うことが可能です。
また、退職代行業者によっては、制服などの借りている備品返却や、会社へ離職票や源泉徴収の送付の依頼をしてくれるところもあり、これらも合法です。
つまり、「伝達」・「依頼」のみは合法になります。
ということは通知代行以外は
やっていい業者とやってはいけない業者に分かれるということ?
やってはいけないことは「交渉」です!
弁護士ではない者が報酬を得る目的で交渉を行うことを「非弁行為」と言い、弁護士法に抵触し違法となります。
- 退職日の交渉
- 有給消化の交渉
- 給与や退職金の交渉
- 未払い金の交渉
- 引継ぎの交渉
- 退職届などの公的書類の代理
などの交渉は、弁護士資格のない者が行うと違法になります。
退職代行を選ぶポイント②例外的に「通知代行」以外もできるのが労働組合
弁護士以外が交渉することは、非弁行為であり違法だと説明しましたが、例外的に交渉が可能な場合もあり、それが労働組合です。
労働組合には団体交渉権が認められており、団体交渉権を行使することで、本人の代わりに交渉や請求ができるようになります。
団体交渉権とは労働者が会社と交渉する権利のことを指し、日本国憲法第28条によって次のように保障されています。
第二十八条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。
日本国憲法 | e-Gov法令検索
会社はやむを得ない事情がない限り、交渉には必ず応じなければなりません。労働組合法第7条においても「使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むこと」は不当労働行為であると定められています。
労働組合が運営する退職代行サービスでは、弁護士のように訴訟代理人にはなれませんが、未払い賃金の支払いに関する交渉などは対応可能です。
一方で、労働組合が行使できるのは、あくまで交渉権のみです。
交渉が決裂し、訴訟を起こす・起こされた場合、労働組合が運営する退職代行サービスでは対応できません。
退職代行を選ぶポイント③実態のない労働組合もあるので注意
そのため、退職代行の労働組合は一般企業が作った「形だけの組織」である場合があり、通常の労働組合としての実績はほとんどないことがあります。
利用者は退職代行費用とともに労働組合の入会費を求められる場合がありますが、サービス内容は一般企業の退職代行とほとんど変わらないケースも少なくありません。
つまり、団体交渉権を行使できることを目的として、一般企業が労働組合が運営する退職代行サービスも存在しているというわけです。
退職代行を選ぶポイント④何らかの請求・督促・訴訟があるなら弁護士一択!
交渉がうまく進まなかった場合に対応できるのは弁護士のみです。
弁護士資格を持っていない業者が訴訟の対応をすることは弁護士法第72条で禁止されています。
第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。
弁護士法|e-Gov法令検索
もっとも、退職は労働者の権利であるため、退職に関して訴訟を起こされることはほとんどないと考えられますが、可能性はゼロではないと覚えておきましょう。
また、退職の意思を通知した際にはそれに応じると言ったのに、なかなか離職票が送られてこなかったり、未払い給与や残業代が支払われなかったりした場合の督促も弁護士しかできません。
退職代行を選ぶポイントまとめ
退職代行の選び方のポイントをまとめると
- 退職の意思を伝えるだけなら企業の退職代行
- 交渉の必要があるなら労働組合の退職代行
- 交渉が決裂するリスクを自分で負いたくないなら弁護士の退職代行
ということになります。
民間企業の退職代行9社を徹底比較!おすすめサービスは?
ただ伝えてもらうだけで、交渉も何もいらない場合は民間企業が安かったわよね。でもどの会社のサービスがいいの?
民間企業9社を徹底比較しました!
結論だけ言えば
運営 | 弁護士監修 | 料金 | 特徴 | 気になる点 | |
株式会社 アルバトロス | 記載あり | 正社員 ¥22,000 アルバイト ¥12,000 | ・労働環境改善組合と提携 ・事務所に来店し対面で無料相談・目の前で代行実施の店舗型オプションあり ・YouTubeで実際の退職代行の様子を見ることが出来る ・オーシャン総合法律事務所が監修 | 特になし | |
LENIS Entertainment 株式会社 | 記載あり | ¥27,000 | ・料金後払い制 ・全国統一労働組合と連携 ・青山北町法律事務所の松本理平が顧問弁護士を務める | 特になし | |
株式会社アレス | 記載あり | ¥27,000 労働組合組合費別途2000円 | ・合同労働組合ユニオンジャパンと連携 ・第二東京弁護士会所属の弁護士が業務監修 | 特になし | |
株式会社 アクロサポート | 記載あり | ¥22,000 | ・有休消化や未払い残業代請求が必要な場合は弁護士費用別途必要 | ・弁護士費用が具体的にいくら必要かが記載されていない | |
退職110番 | 合同会社SHL | 記載あり | 正社員 ¥24,000 アルバイト ¥16,000 | 特になし | 弁護士監修と記載があるが、弁護士の個人名の記載がない。 「労働組合が運営」と記載があるが、組合の名前の記載はなく、運営は合同会社SHLが行っている。 |
株式会社 ネルサポート | 記載なし | ¥24,000 | 料金後払い制 | 「労働組合が運営」と記載があるが、組合の名前の記載はなく、運営は株式会社ネルサポートが行っている | |
株式会社5core | 記載あり | ¥24,000 | 特になし | 弁護士監修とあるが、「記事監修」と記載されており、業務を監修しているとは書かれていない 労働組合運営と記載あるが労働組合名は記載されておらず、運営も「株式会社5core」と記載されている | |
株式会社 ニコイチ | 記載あり | ¥27,000 | 特になし | 弁護士監修とあるが弁護士の個人名や事務所名の記載がない | |
株式会社Pino | 記載なし | ¥25,000 | 特になし | 弁護士監修と記載あるが、弁護士個人名や事務所名の記載がない |
表の上の3つの会社「
加えて料金の安さを考えれば、「
また、「
実際の様子を見てサービスを選べるのは他のサービスに比べて安心感があるわよね!
一方でその他の会社は労働組合が運営とHPに記載があるにも関わらず、実態は企業が運営しており、信頼性が担保できないためおすすめできません。
労働組合の退職代行6社を徹底比較!おすすめサービスは?
・退職の意思を伝えるだけでなく、退職日や有休取得の交渉もしたい
・民間企業の相場と変わらないのであれば労働組合にお願いしたい
という場合は労働組合がおすすめだったわね。
でもどのサービスがおすすめなの?
労働組合が運営する6つのサービスを徹底比較しました!
おすすめは【TORIKESHI(トリケシ)】です!
運営 | 弁護士監修 | 顧問弁護士 | 料金 | 特徴 | |
日本労働産業ユニオン | あり | 記載泰造 | 幸谷¥25,000 | 市ヶ谷東法律事務所 幸谷泰造が監修 | |
退職代行 ニチロー | 労働組合法人 日本労働調査組合 | あり | 記載和希 | 前田¥28,000 | 足立北千住駅前法律事務所 前田和希と提携 |
東京労働経済組合 | なし | 記載なし | 記載¥29,800 | ||
合同労働組合 toNEXTユニオン | なし | 記載なし | 記載正社員¥26,800 アルバイト ¥19,800 | 弁護士からの指導を受けていると記載があるが、名前の記載や事務所名の記載がない | |
合同労働組合 toNEXTユニオン | なし | 記載なし | 記載正社員¥29,800 アルバイト ¥19,800 | 弁護士からの指導を受けていると記載があるが、名前の記載や事務所名の記載がない | |
日本労働基準組合 | なし | 記載なし | 記載正社員¥18,000 アルバイト ¥11,100 |
労働組合の運営する退職代行6つの中でも顧問弁護士がついているのは2つしかなく、いずれも公式HPに実名と顔写真付きで公開されているため信頼性があります。
更に料金の安さを加えると【TORIKESHI(トリケシ)】が最もおすすめと言えます。
弁護士の退職代行4社を徹底比較!おすすめサービスは?
交渉決裂のリスクを自分で負いたくない場合は弁護士の退職代行がおすすめだったわね。
どのサービスがおすすめなの?
弁護士の退職代行4つを徹底比較しました!
弁護士法人みやびです!
運営 | 弁護士 | 料金 | 特徴 | |
弁護士法人 ガイア総合法律事務所 | 安澤 尚志 | 退職金、残業代請求の成功報酬20~30% | ¥55,000無料相談で退職金や残業代でいくら請求できるか確認可能 | 無期限のアフターサポート|
みやび | 佐藤 秀樹 | 退職金、残業代請求の成功報酬20~30% | ¥55,000無料相談で退職金や残業代でいくら請求できるか確認可能 | 無期限のアフターサポート|
弁護士法人 mamori | 日比野大 | ¥66,000 | 退職後の転職サポートや失業給付金のサポートあり | YouTubeチャンネルで活動を確認できる|
退職110番 | 記載なし | 相川 祐一郎 | 弁護士費用別途請求 | ¥43,800・退職金や残業代の回収額の20% ・社宅退去別途10万円 ・訴訟請求を退けた額の35% | 別料金が多すぎる
弁護士法人ガイアと弁護士法人みやびは料金体系は全く同じで、サービス内容もほとんど変わりありません。
いずれもお勧めできるサービスですが、しいて言うなら「みやび」は早くから退職代行サービスの提供を始めていますので、他のどの弁護士事務所よりも退職代行の経験・実績は豊富です。
同じ料金で同じサービスなら経験豊富な方に頼みたいという場合は弁護士法人みやびがおすすめです。
退職代行のよくある質問
引継ぎをしなくても大丈夫?
引継ぎなどを一切せずに辞めてしまった場合、会社側は従業員に対して損害賠償請求が可能です。
ただし、引継ぎの方法は書面などでもよく、会社に行く必要はありません。
退職代行が就業規則で禁止されている場合は?
最近は退職代行が世間的に浸透してきたこともあり、会社側も就業規則で退職代行を禁止したり、退職代行封じが増加してきました。
会社側も弁護士以外からの交渉は拒否できることを知り、交渉を拒否してくる場合もあります。
その場合、そこから先の請求や訴訟は結局弁護士に依頼し直すほかありません。
また、失業保険の受給に必要な離職票や源泉徴収票などの送付が滞ると、退職後の生活に困ります。
万が一会社側の送付が遅かった場合でも、いつ届くかの督促も弁護士から出ないと連絡できません。
こんなことになるくらいなら最初から弁護士の退職代行に依頼したほうがいいわね、、、
身元保証人への連絡は大丈夫?
退職代行を利用する前に入社時に記入した身元保証人が気になるポイントかと思います。
身元保証とは、あなたが会社に重大な損害を与えた際に自分で賠償できないという場合に、あなたに代わって賠償する人を取り決めておく書類のことです。
入社するにあたり、被保証人が「会社の就業規則を守り、忠実に勤務すること」「会社に損害をかけた場合、その賠償責任を負う」の2点を身元保証人に約束してもらいます。
保証人が架空の人物ではないことを証明するためにも活用し、親や兄弟など親族が保証人になることが多いです。
そのため「保証人への連絡」が発生するのでは?と疑問に感じるかもしれません。
保証人は被保証人の職務に対して責任を負うだけであって退職代行利用で理由に責任を取らされる可能性は低いです。
また身元保証人の保証期間は3〜5年とされています。
- 正社員(期間の定めがない場合):3年
- 期間の定めのある場合:5年
「身元保証二関スル法律」にて期限や条件が定められており、必要以上の責任が発生しない様に配慮されています。
この間に職務不適格で賠償責任が発生しそうな場合に身元保証人に通知することになっています。
これに対し保証人は監督責任があり、責任を負います。
しかし、退職をすると雇用契約が終了するため保証期間が残っていても同時に終了します。
退職が合法的であれば保証人に責任を負うことはないのです。
違法な退職の例
- バックレ
- 懲戒解雇(横領など)
弁護士ドットコムでは『身元保証期間内の退職』について以下のような回答がされていました。
身元保証契約は、あなたと会社との間の雇用契約に付随し、あなたが雇用契約に違反して会社に損害を与えた場合に保証責任を負うものですから、形式的に保証期間が残っていても、雇用契約終了と同時に終了すると考えられます。ただし、雇用契約の終了、つまり、退職自体が雇用契約違反になるような特殊な例を除きます。
また、雇用契約と同時に終了するとしても、あなたの在職中の行為により会社が損害を受けたが、その損害発生を知ったのが退職後であるようなときは、保証人に責任があります。
まとめ
この記事では、ハラスメントがある、退職が認められない、退職を言い出せないというケースに陥った方向けに退職代行サービスについて解説しました。
企業、労働組合、弁護士
それぞれのサービスのできることとできないことを理解して
納得のいく選択をすることが重要です
また、退職代行の普及に伴って「退職代行封じ」も普及してきていることから、安心を買うという意味でも少し値段は上がりますが弁護士の運営する退職代行を利用することをおすすめします。
パワハラやセクハラに対抗する手段として証拠を集めておきたい方向けにはこちらの記事も公開しています。
また、育休取得を検討している男性向けにこちらの記事も公開しています。
コメント